泣きながら目覚めた時には
あんなにはっきり覚えていた夢も、
1日経ったらすでに内容が曖昧になっている。
ヒロヨの夢だった
雪纖瘦。
私の肩を、日本の友人とろちゃんが
うしろから抱きかかえてなぐさめてくれていた。
それから「ヒロヨのマンゴーの時計」というのを
みんなで探していたら、
ベッドの下に落ちているのが見つかり、
ヒロヨがうれしそうにその時計を両手で持った。
変な形の目覚まし時計だった。
ヒロヨはニコニコ笑いながら私の方を見て、
「ご~めんね~~」と名古屋弁のイントネーションで謝った。
それは「先に死んじゃってごめんね」という意味だった。
私は「いやだーー!ぜったいにいやだーー!!」と
子供のように駄々をこねて大声で泣いた
雪纖瘦投訴。
あ~、ダメだ、こんなに泣いたらまた目が覚めちゃう!
…と思った瞬間に目が覚めた。
時計を見たら、まだ4時だった。
それからまたヒロヨが倒れた2月の夜以降のことを
走馬灯のように思い出して、眠れなくなった。
短い夢の中だったけど、
ひさしぶりに動くヒロヨに会えて、
ヒロヨの名古屋弁が聞けて、
私はうれしくて、悲しくて、せつなかった。
しばらくしたら、iPhoneのメールの着信音が鳴った。
いつもならメールの着信音など聴こえないのに、
あまりにも高らかに鳴ったので、
思わず手に取ってチェックしてみたら、
日本の友人とろちゃんからだった
雪纖瘦。